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第27回劇団員のアルバイト

氷屋さんのほかに、高校時代のアルバイトでもうひとつ思い出深い一件がある。吹奏楽部でホルンを吹いていたナナちゃんから、「劇団の仕事しない?」と誘われた。ナナちゃんはすでにそのバイトを何度かやっており、リハーサルと本番で一日5000円もらえると...
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第26回ロシアの寒さ

ロシアの寒さが手ごわいということは、おおいに予測がついた。行ったことがないのにわかるのか?いや、私にはわかるのである。なぜなら私は氷屋さんでアルバイトをしたことがある。あれは忘れもしない、高校三年の夏休み。吹奏楽部でクラリネットを吹いていた...
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第25回毛皮のコート

「・・・俺、ハバロフスク行きに、付き合ってもいいよ」テレビ局勤務のT君が、忘年会の帰り際にそう言い出したところまで前回書いた。救世主、あらわる。マイナス30度の世界にたったひとりで足を踏み入れる勇気のなかった私だったが、これで一気にプランを...
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第24回ハワイ島の思い出

モスクワ・サンクトペテルブルクから戻ってまもなく、友人7人で忘年会をやった。私がそんな大人数の集まりに行くことはめったにないが、このメンバーとは何年も続いている。メンバー構成はテレビ局、出版社、広告代理店、通信社、などに勤める仕事を通じて知...
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第23回ビザをとる

ロシア大使館の近くにある飯倉のキャンティで、おひとりさまランチをとっている。会社をやめて以来、質素な暮らしに徹している私が、都内の名店にいるのにはわけがある。なぜならビザをとるのに苦労した。なので「ひとり打ち上げ」をしているのである。食べて...
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第22回ロシアへ行こう

「ロシアへ行こう」その思いつきは、私の心を明るく照らした。キラキラした粉が、天から降ってくるような気がした。さっそく旅に向けた資料を集めようとした。ところが気をつけて見てみると、ロシアについての出版物は、他の近隣諸国と比べて驚くほど少ない。...
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第21回旅のはじまり

私を「ミルコ」と名付けた父が出入りしていたのは、国名でいうとロシアでなくソ連である。ソビエト社会主義共和国連邦。ところが、ソ連は30年ほど前に消滅している。ある日、国のえらい人が「我が国は消滅しました」と宣言したのだ。信じがたいことである。...
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第20回ロシア語の名前②

「ミルコ・・・・・・?」「ロシア語なんだ、へえ~」と感心される。大人になった今では「可愛い名前だね」と言ってもらえることもある。けれど、子どもの頃は、違った。「ソ連なんだ・・・怖いね」というようなことを言った子がいた。それから私は、自分がロ...
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第19回ロシア語の名前①

2009年3月に会社をやめた。そのあと私は病を得て、しばらくのあいだ闘病生活をした。退社で通勤がなくなり、独身なので実家に帰り、20年ぶりに両親と暮らすことになった。年をとり、体の不調はあるにはあるが、仲良く暮らしていた父と母、彼らの住む郊...
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第18回「つぎのひと、くる」

都心暮らしをやめてだいぶたったいまとなっては、「上京」はひとつのイベントである。ある日、ランチミーティングがあって、六本木一丁目駅で下車した。約束の時間には少々早く、かといってお茶を飲むほどの時間はない。六本木一丁目駅直結のビルには、かつて...