2020-08

ファーロード

第20回ロシア語の名前②

「ミルコ・・・・・・?」 「ロシア語なんだ、へえ~」と感心される。 大人になった今では「可愛い名前だね」と言ってもらえることもある。 けれど、子どもの頃は、違った。 「ソ連なんだ・・・怖いね」というようなことを言った子がいた。それから私は、...
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第19回ロシア語の名前①

2009年3月に会社をやめた。 そのあと私は病を得て、しばらくのあいだ闘病生活をした。 退社で通勤がなくなり、独身なので実家に帰り、20年ぶりに両親と暮らすことになった。 年をとり、体の不調はあるにはあるが、仲良く暮らしていた父と母、彼らの...
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第18回「つぎのひと、くる」

都心暮らしをやめてだいぶたったいまとなっては、「上京」はひとつのイベントである。 ある日、ランチミーティングがあって、六本木一丁目駅で下車した。 約束の時間には少々早く、かといってお茶を飲むほどの時間はない。 六本木一丁目駅直結のビルには、...
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第17回タイガでデート

夢を見ないのは、ほんとうに久しぶりだった。 夢を見ずに目が醒めて、自分のしたことが、信じられないほどの驚きをもってたちのぼってくる。 私はビキン川のほとりの、ほぼ垂直に切り立った山に登った。 とうとうクロテンの森に入ったのである。 ビキン川...
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第16回生き物たちの大量死

かつて多くの日本人が海を渡った。 ある人は仕事を求めて。ある人は戦争をしに。 戦争の悲惨さが語られるとき、つねに人間が主役であるけれど、戦争では人間だけでなく無数の生き物が傷つき、死んでいる。 <戦争の世紀>であった20世紀には、クロテンは...