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第85回ダッタン人の踊り(7)ソロを吹きたい! ~ポンセ・デ・レオン序曲~

オクターブキーというものが、サックスにもフルートにも、ある。 左親指でそれを押すと、音が一オクターブ(12音)上がる。 低い「ミ」を吹いて、それにオクターブキーを加えると、高い「ミ」になる。 カンタンだ。 それが、クラリネットの場合、そうな...
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第84回ダッタン人の踊り(6)吹奏楽部はこわい? ~バンドジャーナル付録・小フーガ・ト短調

先日、とある仕事で首都圏の中学校を訪問した。 住宅街のなかにある、生徒数500人くらいの学校である。 そこで話をしていたときのこと、「吹奏楽部」が話題にのぼった。 ちょうどこれを書いていることもあり、自分が中高時代、吹奏楽に熱中していたこと...
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第83回ダッタン人の踊り(5)2ndクラリネット、デビュー ~士官候補生

ブラスバンド部の旗揚げは中学一年の秋ごろで、冬には曲を吹いていたと思われる。 ということは、そのころにはクラリネット最初にして最大の難関――「ラ(A)からシ(B)への修業」というものがあるのだが、それを克服していたことになる。クラリネットの...
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第82回ダッタン人の踊り(4)はじめての合奏 ~プリーズ・ミスター・ポストマン

固定相場制から変動相場制へ移行して数年、景気は乱れながらも上昇へ向かい、対ドル円相場が戦後最高値を記録(1978・昭和53年1月、1$=237,9円)、カラオケ・ファミレス・ディスコがブームになりはじめ、バブルの前兆が感じられる時代に突入し...
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第81回ダッタン人の踊り(3)ロングトーンと楽器の手入れ

私は早く合奏がしたかった。 そのためには、まず楽器を鳴らすことができなければ。 5つの黒い塊を繋げたあとに、先端にリードを付けた歌口の部分を咥え、息を吹き込んでみる。 「ぶぉ~」という、鈍い音が出た。 幼い頃からベニーの音に馴染んでいた私に...
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第80回ダッタン人の踊り(2)クラリネットとの出会い

わが中学(我孫子市立久寺家中学校)にブラスバンド部が発足するとのうわさをきいたのは、合唱部に入ってしばらく経ったある日のことだった。 新しく赴任してきた横山乙和おとかず先生がメンバーを集めるという。横山先生――乙和(おとかず)という名前から...
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第79回ダッタン人の踊り(1)吹奏楽との出会い

ダッタン人の話の前に、ここで私と吹奏楽との出会いについて、少し書いておこうと思う。 少し、と言いながら、けっこうな長さになってしまうかもしれない。 というのもこの件は自分そのもののようなところがあるからだ。 中学2年で、クラリネットと出会う...
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第78回マラッカ王国のナゾ(10)永楽帝の蒙古親征

1511年に砲弾でマラッカを襲ったポルトガル人が、いち早くアジアに進出。アジア東方地域につぎつぎ来航し、やがてマカオに拠点を築くと、阿片や香料(竜涎香=マッコウクジラの排泄物)などを持ち込んで、それらは大陸へと流れる。かつての鄭和の道は、海...
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第77回マラッカ王国のナゾ(9)続々・宦官の鄭和

今日は机に向かおうと、小さな書斎をあたためる。 会社時代から使っている足温器(Nationalと書いてあるからそうとう古い)と温風機に電源を入れ、コーヒーを作ってちょっと待つ。 毎年、この季節になると、抗がん剤治療を思い出す。 私の闘病して...
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ファーロード番外編 室蘭のこと(4)

30年ぶりに室蘭を訪れたという感慨は、ちっとも湧いてこなかった。 そのかわり、帰京して日が経つにつれ、室蘭のことが気になった。 芹澤夫妻と道南をドライブし、いろんな景色を見たはずなのに、赤茶けた山々に囲まれた港の姿が、ほかのどこよりも私に何...