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ファーロード番外編 国立アイヌ民族博物館へ行ってきました(3)

夕刻、佐々木史郎先生と博物館を出て、白老駅へ歩いて向かった。 雨は上がり、広く白っぽい道路にはときおりスピードを上げたクルマが通りすぎるだけで、人はほとんど歩いていない。博物館のお客さんはみな自家用車やバスで駐車場を出たあとなのか、閑...
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第76回マラッカ王国のナゾ(8)続・宦官の鄭和

あのあと恐ろしい話を聞いてしまった。 マラッカ王国のナゾ(6)「宦官の鄭和」の回を読んだ友人が、「そういえばずいぶん前にこんな本、買ってたんだわ~」と言って、一冊の文庫本をくれた。その名も『宦官』。パラパラ開いて斜め読みすると、どうやら私...
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ファーロード番外編 国立アイヌ民族博物館へ行ってきました(2)

新千歳空港から白老のアイヌ国立民族博物館まで一時間半ほどクルマで走る。 芹澤夫妻が迎えに来てくれなかったら、おそらく私は現場へたどりつけなかっただろう。彼らはまず、飛行機を降りてよろよろと出口に現れた私を迎え、愛車に乗せ、おにぎりを与え・...
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第75回マラッカ王国のナゾ(7)マルコと鄭和

まずチャンバ(占城)へ、そこからボルネオ島の西を通って南下してジャワへ――、と鄭和の航海がはじまったところまで前回書いた。 鄭和の初出航は1405年のことだが、その100年以上前にマルコ・ポーロが中国地方を見聞したときもやはり同じルートが...
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ファーロード番外編 国立アイヌ民族博物館へ行ってきました(1)

私が20年にわたった出版社勤めをやめて、闘病をへて、はじめて書き下ろしの原稿に取り組んだのが、毛皮獣・クロテンについての話だった。本は『毛の力 ロシア・ファーロードをゆく』というタイトルで2014年の年末に出版されたのだが、その本を書くにあ...
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第74回マラッカ王国のナゾ(6)宦官の鄭和

前回、羅針盤のところで鄭和の名を出した。 生涯に七度もの大航海を成し遂げたと言われる鄭和だが、少年時代に性器を切り取られるという過酷な体験をしていた。 手術は、麻酔なしでおこなわれた。 腹と太ももを押さえつけられ、性器を縛...
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第73回マラッカ王国のナゾ(5)セラミックロード(陶磁器の道)と「夢の島」

ヨーロッパ勢が進出してくるまでは、マラッカを中心とした港湾国家たちが中国、インド、遠くはアフリカ東海岸まで・・・の国々とのあいだに密な交易関係を結んでいた。 これより千年前の時代、すでに中国から西方へつうずるいわゆるシルクロードという...
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第72回マラッカ王国のナゾ(4)マラッカ海峡のイスラム王国たち

14世紀の初めまで小さな漁村にすぎなかったマラッカに、パレンバンを追われ、シンガポールでシャムの攻撃を受けたパワメスラワという王が逃げてきた。先の回でもふれたように、それがマラッカ王国のはじまりであったという。 1400年ごろに明から...
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第71回マラッカ王国のナゾ(3)大阪編

久しぶりに、大阪へ行った。 前回は拙著『バブル』刊行のころ、朝日放送の「おはようパーソナリティ」に出演させていただいたのだった。そのときの話を私は光文社「本が好き。」の連載に書いているが、当時パーソナリティの道上洋三さんと自分とのあい...
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第70回マラッカ王国のナゾ(2)ライスロード(稲の道)

マラッカ海峡は、東西交通の十字路だった。 東の中国と西のインドをむすぶ重要な交通路であったにもかかわらず、このあたりの古代史はほとんど文字に残されていない、研究者泣かせの地域のようだ。そもそも原史料がとぼしいうえ、16世紀以降の帝国列強に...
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