スパイスロード 第69回マラッカ王国のナゾ(1) 私の滞在したシンガポールは、マレー半島の南端に位置する小さな国だ。 国家としての歴史は浅い。1965年8月に独立。それまではマレーシアの一部だった。 資源も水もなく人も少なかったシンガポールは、海外とつながることによって発展を遂げてきた... 2023.03.13 スパイスロード
スパイスロード 第68回シンガポールにホームステイ3 窓から外をみる。 いっせいに飛び立つ鳥の群。 気持のよい朝。きのうよりさらに疲れが取れている。 体調よし、気分おだやか。気候もおだやか。 暑すぎない、冬のシンガポール、気に入った。 昨夜はカズミちゃんとショーンの仕事終わりで、... 2023.02.05 スパイスロード
スパイスロード 第67回続・シンガポールにホームステイ ふたたびシンガポールへ行くことになった。 前回の滞在は2013年の春。その年の終わりから、私は一冊の本を書くために引きこもり生活に突入。取材以外では、ほとんど出かけることをしなくなっていた。 久しぶりの南方へ、飛行機で行くなんて緊張した... 2023.01.09 スパイスロード
スパイスロード 第66回シンガポールにホームステイ シンガポールへ初めて行ったのは、会社をやめて、闘病をへて、三年過ぎたころである。 出版社勤務時代には縁のなかったシンガポールへ、何度か行くことになった。 一度目はシンガポールに住んでいた中学校の同級生・オトちゃんと、その後は単身で渡航し... 2022.12.17 スパイスロード
グルグル講義 第65回非常勤講師の終わり 「企画書を出した人から、今日は終わっていいよ」 ノートとペンケースを仕舞って、リュックを肩に掛けながら教室から出て行こうとする子たち、このまままっすぐ帰るのかと思いきや、きくとほとんどの生徒がこのあとアイスを食べに行くのだという。なん... 2022.09.12 グルグル講義
グルグル講義 第64回雑誌の付録、返品の山 「雑誌が返本されると、付録をぜんぶ取って、すべて再生にまわします」 と、富澤の取締役・伊福さんが解説しながら工場内を案内してくださる。 恐竜のそばから離れると、今度は小さな山が見えた。 一見、ゴミの山だが、近づいてみたら、... 2022.09.05 グルグル講義
グルグル講義 第63回本を断裁する「死の工場」 出版社を辞めて闘病後、病み上がりだった頃の私は、趣味であったジャズや吹奏楽のコラム、CDのライナーノーツなどの仕事をいただいて、ポチポチと書いて暮らしていた。 その一つに、ジャズ愛好者のためのウェブサイト「KOBEjazz.jp」の原... 2022.08.29 グルグル講義
グルグル講義 第62回出版のまち・さいたまの出版倉庫 私たちを乗せたクルマはみずほ台駅から遠ざかり、のどかな風景の中を通り抜けて着いた場所は広大な敷地だった。「河出興産」に到着した。 この近辺はあらゆる出版社が倉庫を置いている、出版のまちだ。 巨大な建物があちこちに、おそらくぜんぶ... 2022.08.22 グルグル講義
グルグル講義 第61回本は死ぬのか生きるのか? 「10万部です」と謳われた本が、「10万部売れた」のではなく「10万部刷った」であることは、すでに多くの人の知るところだと思う。 「刷った」だけで「売れている」とはかぎらない。 10万部刷ったが半分も売れていないということだって... 2022.08.15 グルグル講義
グルグル講義 第60回元編集者・山口ミルコの編集講義「本の一生」 会社をやめて、出版業界のサイクルから抜け出た私は、考えた。 私はすでに本の送り手ではない。 本を受け取る側、である。と同時に、無職になった。本の買い方、も変わった。新刊本にこだわらなくなったし、買うときには「この本にお金を払って... 2022.08.08 グルグル講義