2021-01

ファーロード

第32回強制収容所マガダンとフィル・ウッズ

昭和の時代に日ロ(日ソ)貿易業界を跋扈していた、ラーゲリの先輩。彼らが父の周辺にいたことまで前回書いた。その一人であった会社のOさんはおとなしい人で、ラーゲリの先輩たちのなかではロシア語が得意なほうではなく、「ダモイ」(家に帰ろう)くらいし...
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第31回シベリア抑留②

列車が着いた現場はシベリア、モンゴル、ユーラシアの各地。 冬には寒さのひどいところで、マイナス40度はざらであった。 一日の食糧は、ラーゲリによって違ったが、ほんのわずかな黒パンと、具などないにひとしい粥と呼べない粥(ロシア語でカーシャ)だ...
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第30回シベリア抑留①

それにしても、寒い。寒すぎる。 マイナス30度に届く体感温度。この寒さに慣れていない私たち日本人には、かなりきつい。 ところがかつてこの地で働いた、大勢の日本人がいたことを、みなさんご存知でしょうか? 戦後、当時のソ連各地に抑留され、シベリ...
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第29回アムール河の波

ハバロフスク空港から市内のホテル・インツーリストへ、クルマで3,40分ほどかけて移動した。途中、窓の外はうす暗い雪景色。人の姿はほとんど見えない。 空港からホテルのチェックインまでは、迎えの通訳さんがいてくれたが、そのあとはT君と二人きりに...