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第77回マラッカ王国のナゾ(9)続々・宦官の鄭和

今日は机に向かおうと、小さな書斎をあたためる。 会社時代から使っている足温器(Nationalと書いてあるからそうとう古い)と温風機に電源を入れ、コーヒーを作ってちょっと待つ。 毎年、この季節になると、抗がん剤治療を思い出す。 私の闘病して...
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ファーロード番外編 室蘭のこと(4)

30年ぶりに室蘭を訪れたという感慨は、ちっとも湧いてこなかった。 そのかわり、帰京して日が経つにつれ、室蘭のことが気になった。 芹澤夫妻と道南をドライブし、いろんな景色を見たはずなのに、赤茶けた山々に囲まれた港の姿が、ほかのどこよりも私に何...
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ファーロード番外編 国立アイヌ民族博物館へ行ってきました(3)

夕刻、佐々木史郎先生と博物館を出て、白老駅へ歩いて向かった。 雨は上がり、広く白っぽい道路にはときおりスピードを上げたクルマが通りすぎるだけで、人はほとんど歩いていない。博物館のお客さんはみな自家用車やバスで駐車場を出たあとなのか、閑散とし...
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第76回マラッカ王国のナゾ(8)続・宦官の鄭和

あのあと恐ろしい話を聞いてしまった。 マラッカ王国のナゾ(6)「宦官の鄭和」の回を読んだ友人が、「そういえばずいぶん前にこんな本、買ってたんだわ~」と言って、一冊の文庫本をくれた。その名も『宦官』。パラパラ開いて斜め読みすると、どうやら私の...
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ファーロード番外編 国立アイヌ民族博物館へ行ってきました(2)

新千歳空港から白老のアイヌ国立民族博物館まで一時間半ほどクルマで走る。 芹澤夫妻が迎えに来てくれなかったら、おそらく私は現場へたどりつけなかっただろう。彼らはまず、飛行機を降りてよろよろと出口に現れた私を迎え、愛車に乗せ、おにぎりを与え・・...
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第75回マラッカ王国のナゾ(7)マルコと鄭和

まずチャンバ(占城)へ、そこからボルネオ島の西を通って南下してジャワへ――、と鄭和の航海がはじまったところまで前回書いた。 鄭和の初出航は1405年のことだが、その100年以上前にマルコ・ポーロが中国地方を見聞したときもやはり同じルートが使...
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ファーロード番外編 国立アイヌ民族博物館へ行ってきました(1)

私が20年にわたった出版社勤めをやめて、闘病をへて、はじめて書き下ろしの原稿に取り組んだのが、毛皮獣・クロテンについての話だった。本は『毛の力 ロシア・ファーロードをゆく』というタイトルで2014年の年末に出版されたのだが、その本を書くにあ...
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第74回マラッカ王国のナゾ(6)宦官の鄭和

前回、羅針盤のところで鄭和の名を出した。 生涯に七度もの大航海を成し遂げたと言われる鄭和だが、少年時代に性器を切り取られるという過酷な体験をしていた。 手術は、麻酔なしでおこなわれた。 腹と太ももを押さえつけられ、性器を縛られ、そのまんまチ...
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第73回マラッカ王国のナゾ(5)セラミックロード(陶磁器の道)と「夢の島」

ヨーロッパ勢が進出してくるまでは、マラッカを中心とした港湾国家たちが中国、インド、遠くはアフリカ東海岸まで・・・の国々とのあいだに密な交易関係を結んでいた。 これより千年前の時代、すでに中国から西方へつうずるいわゆるシルクロードという陸路が...
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第72回マラッカ王国のナゾ(4)マラッカ海峡のイスラム王国たち

14世紀の初めまで小さな漁村にすぎなかったマラッカに、パレンバンを追われ、シンガポールでシャムの攻撃を受けたパワメスラワという王が逃げてきた。先の回でもふれたように、それがマラッカ王国のはじまりであったという。 1400年ごろに明から何度か...