2021-02

ファーロード

第37回マースレニッツァとロシア極東連邦大学・函館校

シベリア鉄道で移動中に風邪をひいた。 排気ガスにまみれた空気を掻き分けて、姿をあらわした浦塩本願寺跡のくすんだ光景――それ以外の記憶がほとんどない。 そういえば、空港のチェックインで並ぶ列にて、サハリンから来た女の子と知り合った。 日本語教...
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第36回初めてのウラジオストク

シベリア鉄道の終点ウラジオストク駅にぶじ到着したものの、私はフラフラだった。 駅に着いたのが早朝で、迎えにきてくれたガイドさんとクルマでホテルへ向かったが、その間どんどん具合が悪くなっていった。全身ゾクゾクしたのは幽霊さんのせいだけではなか...
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第35回シベリア鉄道

「博物館のほかにもあちこち観光した」 と言いたいところだが、このときの私はハバロフスクでの多くの時間を、カフェなどでじっと過ごした。いっぽう、寒さに強いT君――ハワイ島でも山上で天体観測していた――は、巨大コートを着て街中へ繰り出し、書店な...
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第34回ハバロフスク郷土誌博物館とシソーエフ動物園

初めてのハバロフスクはあまりに寒く、ほとんどなんにもできなかった。 博物館を見学するのが、せいいっぱいだった。 「ハバロフスク郷土誌博物館」はたいへん立派な建物で、外見より中がかなり広い。入口の展示を見ただけでクタクタになった。そこは動物た...
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第33回関東軍の終焉~地獄の収容所・マガダンへ

ラーゲリの先輩は、長い暗闇をどう生きてきたのだろう―― 私は父から聞いた彼らの話がその後も忘れられず、なんだか他人事とは思えなかった。とくにXさんが働いたという「マガダン」が気になった。 「Xさんに、会ってみたいな。会って、マガダンの話をき...